作品紹介

作品集

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小西建築工房 社屋

設計者
小西永高
用途
事務所
竣工
2009年
基礎断熱
PSF(3種)75mm
壁断熱
GW換算 220mm
屋根断熱
GW換算 400mm
換気
3種換気
代表の小西です。

弊社の社屋を建築するのに長いあいだ(2~3年)土地を探していました。

私とスタッフが希望していたのは、クライアント様が思う事と同じで 「価格は安価」「面積は大きく」「森や自然と隣接」「ある程度は利便が良い」など、到底見つからないような条件です。

不動産会社をはじめ、業者さんやその他いろんな人に声をかけ、しまいには幼なじみの農家やお寺などにも声をかけ、探しました。
なかなか見つからないので気弱になり条件をゆるくして「郊外でも良いか…」「今より遠くても良いか…」「緑が無くても良いか…」「面積は狭くても良いか…」など妥協しはじめます。
この辺もクライアント様が悩まれることとまったく同じで、クライアント様の気持ちが痛いほど良くわかり、気持ちも、探すのも停滞していたところ、
不動産会社から、「事務所から見える距離の森の裏に、旗ざお形状の土地がある」との情報が入ってきました。

土地情報を見ると、面積は110坪、価格は1210万、坪11万です。
早速行ってみると、案内のとおり「旗ざお形状」入り口は3m幅の通路、半分ガードレールがかかっていて通路に木が生えている。
西側は背高い昔からある雑木林に面してうっそうとしており、さらに、中の広い部分(旗ざおの旗の部分)は、西から東に向かって傾斜している傾斜地で、高低差は3m以上あります。
北側はこの土地と同じ様に傾斜しています。

東側は低いですが住宅で囲まれており、南側も傾斜の下からみると2m近く高い敷地で、おまけに高基礎の2階建て、まず南の光は望めません。
傾斜の下のほうにセイタカアワダチソウと、途中に柳などの低木が数本、蛇が出そう
※植物を見ると多分下のほうには水がたまるような土地なのだろうと推測される
傾斜の上には低木とシナの木の高木があり、そこから雑木林は本格的にうっそうとしています。
おまけにそのシナの木の中ほどにスズメバチの巣まであり、キイロスズメバチがブンブンと飛んでいます。

それでも、その土地を見たとたん「これだ!!」と直感。

数々ある問題や障害はすべて設計や技術で解消できる、それ以上にこの傾斜地や樹木などは設計やデザイン、環境に利用できる。
何よりも、一般的なひとが「この土地は難有り地」と考えているから金額が安いし、面積も大きい。
高さが周囲と違うということはうまくやればプライベートを確保できる。地盤の悪さや傾斜の構造的問題はは今の技術ならなんとでもできる。
と頭の中でよいイメージをいっぱいにして、後ろを見ずに設計を開始しました。

そんな時間があって出来上がったのがこの社屋です。
※古い時代の北海道の家屋をイメージしながら設計しています。