旅人宿給食室
- 設計者
- 小西永高
- 用途
- 宿泊施設
- 竣工
- 2008年
建築は展示物ではありません。
そこに入る、住まう、使う、人と一体となり
生かされるものです。
旅人宿 『給食室』は
みずから自分のことを
『給食のおばちゃん』と言われる
Y様の人柄と建物が組まれた物です。
北海道の原風景の中に登場する
ブロック住宅のような赤い三角屋根のデザイン。
原風景にある
赤い三角屋根の家とそこで待つ
人のあたたかさ。
都会で人ごみの中の孤独にさらされ
自分を理解されず
身も心も疲れた時
理由はいわなくても、理解してもらえる人がいて
給食室の道に向かうだけで安堵する。
ドアを開けて
『ただいま!』を言えば
それだけで安心と信頼につつまれる。
対価や利害で提供される
サービス癒しとは違い
特別なイベントや演出があるわけでもなく
ただ、やさしい空間と時間、あたたかい食事があるだけ、
そんな空間が『給食室』だと思います。